GNC letter
GNCレター
半導体受託生産最大手、台TSMCが熊本県菊池郡菊陽町に建設を予定している第2工場の建設が開始された。同社会長兼CEOのC.C.Wei氏が2025年10月16日に開催された第3四半期の決算会見で明らかにした。その後、10月24日には同社の工場を運営する子会社のJASMが菊陽町と立地協定を締結した。
TSMCは2021年秋に熊本県進出を決定し、第1工場は2024年末に量産を開始した。第2工場については当初2024年に建設を開始する予定であったが、着工時期が複数回変更され、今回ようやく着工に漕ぎつけた。
第2工場の建築面積は6万8,900平方メートル。第1工場の東隣に整備する。工場棟の他、電力や水などを制御・管理するCUP棟なども備える。投資額は第1工場の約86億ドル(約1兆3,000億円)を上回る約139億ドル(約2兆1,000億円)で、7,320億円を国が補助する。従業員は1,700人で、第1工場と合わせて3,400人体制となる。
第1工場は回路線幅10~20nm台の半導体を製造しているが、第2工場では第1工場より先端となる回路線幅6nmの半導体を製造する計画である。稼働開始は2027年12月を予定しているが、フル稼働はそれよりも先になる見通しである。
なお、第1工場は現在、電気自動車(EV)の需要低迷などの影響で稼働率が伸び悩んでいるとみられている。第2工場で製造する半導体は自動運転などの用途を想定しており、EV市場の現状を考えると、熊本工場の先行きには不透明感もある。
JASMの堀田祐一社長は第2工場について、「多額の投資のため本格的な量産は需要動向などを慎重に見極めながら決める」としながらも、「熊本が一段の半導体集積を進める上でJASMも重責を担う。熊本の未来に貢献できる工場となる」とし、覚悟をにじませた。
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