GNC letter
GNCレター
中国の国家市場監督管理総局は2025年9月15日、米半導体大手、NVIDIAについて、予備的調査の結果、独占禁止法に違反していたと発表した。初歩的な調査に基づくもので、さらに調査を進めるとしている。
同局はNVIDIAが2020年にイスラエルのネットワーク機器メーカー、Mellanoxを買収した動きが独占禁止法違反にあたるとし、2024年12月から調査を開始したとのこと。但し、同社が具体的にどのような形で独占禁止法に違反したのかについては明らかにしていない。また、同局によれば、NVIDIAは2020年にMellanoxを買収した際、同局による条件付き承認を得て手続きを完了させていたが、この際に取り決められた条件について違反があった疑いがあると指摘している。
なお、2020年当時に定められた条件は、①抱き合わせによる販売の禁止、②GPUアクセラレータなどの中国市場への継続供給、③NVIDIAのGPUアクセラレータ、及びMellanoxの高速ネットワーク相互接続装置と第3者のアクセラレータとの相互運用性の保証、④Mellanoxの高速ネットワーク相互接続装置の点対点通信ソフトウェアおよび集合通信ソフトウェアのオープンソース化に関する約束の継続、⑤第三者のアクセラレータおよびネットワーク相互接続装置メーカーに関する情報に対する保護措置の実行など。このうち、③に関してはバイデン前米政権時の輸出規制の影響で最先端アクセラレータの販売が中止されており、条件は満たせていない。
同局は今後、追加の調査を実施するとしており、独占禁止法違反が確定すれば、巨額の罰金を科される可能性もある。
同社はAI半導体市場を牽引しており、米中対立の最前線にある。トランプ米政権は2025年9月12日に複数の中国企業を輸出管理対象のリストに追加しており、今回の発表はそれに対する対抗措置とみられる。
出典:中国 国家市場監督管理総局
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