GNC letter
GNCレター
米商務省の産業安全保障局は8月29日、中国法人を持つ一部の米国外企業が特別な許可手続きなしで中国内の工場に米国製の半導体製造装置や技術を輸出できる優遇措置を廃止すると発表した。米国製の半導体製造装置の輸出規制を強化する。
この措置は「検証済み最終使用者(VEU)」プログラムといい、2023年にバイデン政権下で定められた。承認を得た企業は米国製の殆どの製品、ソフトウェア、技術を許可手続き不要で中国の工場に輸出ができた。VEUのリストには韓サムスン電子や韓SK hynix、台TSMCなどが含まれる。サムスンは中国・西安市、SKは無錫市、大連市の工場で旧世代の半導体を製造し、TSMCは南京市の工場で16nmの半導体を製造しており、米Applied Materials、米Lam Researchなどの半導体製造装置を輸出していた。
VEUの廃止は2025年12月31日に施行される。これまで対象だった企業は同日以降、米国製の装置を中国工場に導入する場合に米政府から個別の輸出許可を取得する必要が生じる。産業安全保障局は審査の上で個別の輸出許可を承認する予定だが、中国内の工場の生産能力の拡大や技術のアップデートを目的とした輸出は許可しない方針だ。
Jeffrey Kessler米商務省産業安全保障次官は今回の措置について、「トランプ政権は、輸出管理の抜け穴、とりわけ米国企業を競争上不利に陥れる抜け穴を塞ぐことに注力している」とコメントした。
韓国政府はサムスンやSKの中国工場について、世界の半導体供給網の安定のため重要であるとして米国と協議中であり、米国からは両社に対し、毎年の承認という形を提案がされた模様だ。
一方、TSMCの南京工場の生産能力は同社全体の3%程に留まり、影響は小さいものとみられる。
出典:U.S Department and Commerce Bureau of Industry & Security FOR IMMEDIATE RELEASE
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