三菱電機は2025年6月10日、経済産業省とグローバルエネルギー企業のGE Vernovaが同日に立ち上げた「日米エネルギー安全保障とサプライチェーン強化に向けたフォーカスグループ」の中の企業間連携のひとつとして、GE Vernovaと高電圧直流送電システム(HVDCシステム)向けパワー半導体分野での協力強化について合意したと発表した。

経済産業省とGE Vernovaが立ち上げたフォーカスグループは、エネルギー安全保障とサプライチェーンの強化に向け、日米エネルギー政策に基づき、現在の両国関係を基盤として、エネルギー分野での連携を一層深化させるもの。経済産業省とGE Vernovaが日本のエネルギー分野における重要課題について継続的に議論・協働するためのプラットフォームとして機能し、主な連携テーマとして、風力発電におけるエネルギー安全保障、水素、アンモニア、二酸化炭素回収貯留(CCS)技術を活用したガスタービンのイノベーション、さらに送配電や原子力エネルギー分野における新たな可能性が含まれる。

送配電分野では、発電した大容量の電気を安定的かつ高効率に長距離送電できるHVDCシステムをメインテーマとする。その中でも、電力網を安定化させる機能を持ち、不安定な電源である再生可能エネルギーによる発電システムと組み合わせるのに最適なVSC型HDVCシステムに焦点を当てる。三菱電機は同システム向けのパワー半導体で世界トップシェアを誇る。同社は現在、高信頼性、高耐圧、大電流を有するIGBTパワー半導体の先行開発を進め、生産能力増強を図ることで、同システム向けパワー半導体の更なる事業拡大を目指している。

今回の連携により、三菱電機はGE Vernovaに対し、VSC型HDVCシステムに対応したIGBTパワー半導体の安定的かつ継続的な供給を行う。これにより、世界各地で高度な送配電ソリューションと電力網の近代化を目指していく。加えて、今後、両社の有する知見と強みを融合し、技術的、戦略的な協力を強化させ、拡大する電力需要への対応に向けた送電線の進化への支援を目指すとしている。

出典:三菱電機 ニュースリリース