堀場製作所は2025年4月7日、韓国でウエーハ検査装置を手掛けるEtaMaxを買収したと発表した。韓国の完全子会社を通じ、4月3日までに全株式を取得した。買収金額は非公開だが、30億円程度とみられる。次世代パワー半導体である化合物半導体の検査装置の研究開発を強化する。

EtaMaxは2008年に創立し、フォトルミネッセンスという、サンプルが特定の波長の光を吸収し、その後に放出する光(蛍光)を測定することで、欠陥や不純物の情報などを取得する技術に強みを持つ。窒化ガリウム(GaN)をはじめとした化合物半導体ウエーハの均一性評価や微細な欠陥の種類の判別といったアプリケーションに強い。韓国・京畿道水原市に本社を置き、2024年の売上高は約10億円で従業員数は40人となっている。

堀場製作所は中長期経営計画「MLMAP2028」の注力分野として「先端材料・半導体」を掲げ、2028年に同分野で2,350億円の売上高を見込む。これを実現するため、化合物半導体ウエハ欠陥検査装置の研究開発強化に取り組んでおり、今回の買収もその一環とみられる。

今後、堀場製作所は同社の持つラマン分光(サンプルに光を照射し、その散乱光を検出することで、分子構造や性質などを評価する分析技術)やエリプソメトリー(サンプルに対する入射光と反射光の光の振動の変化を測定することで、厚さや性質などを求める分析技術)といった技術とEtaMaxの持つ化合物半導体ウエーハ欠陥検査に関する豊富な知識とソフトウェア技術を融合し、歩留まり向上、品質向上などの課題解決や新製品の開発に取り組むとしている。