住友ベークライトは2月18日、次世代半導体パッケージ向けの低弾性基板材料の開発を開始したと発表した。特にガラス基板を適用したパッケージングを想定し、信頼性の向上と組立時及び製品時における内部応力要因での故障を低減する。

近年の生成AIの急速な普及に伴い、半導体の高性能化競争が熱を帯びている。前工程プロセスの微細化が限界に近づく中、2.xDや3D構造など、パッケージング技術の革新が進められている。このパッケージングにおいて有機基板に代わる材料として適用が期待されるのがガラス基板である。ガラス基板は従来の有機基板に比べて低熱膨張率や高弾性率、基板表面の平滑性に優れており、信頼性の高い半導体デバイスの製造を実現する。一方で、ガラスという素材の特性上、加工時の衝撃による割れや傷が発生しやすいという課題もある。

同社の開発するビルドアップ材料は弾性率が既存品より低く、パッケージ基板加工時の内部応力を低減することができる。これにより、加工時の衝撃によりガラス基板に発生した微小クラックや割れの拡大を低減することが期待できる。また、既存品と比較して低誘電率、低誘電正接の機能を有しており、伝送損失に対する効果も得られるという。なお、従来のガラスエポキシ基板にも適用可能で、顧客のパッケージ基板の構造や構成の自由度も向上させることができるという。

同社は2025年前半から新材料の顧客へのサンプルの提供を行う計画である。