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GNCレター
ロームは1月17日、東克己取締役専務執行役員(60)が4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。現職の松本功社長(63)は相談役に退く。社長交代の理由について同社は「企業価値向上に向けて、強固な経営基盤の構築を加速するため」としている。
同社はEVの省エネにつながるパワー半導体に投資を集中していたが、EV需要が減速したことにより、業績は低迷した。2024年11月には、2025年3月期の通期業績が60億円の赤字(前期は539億円の黒字)となり、2013年3月期以来、12年ぶりに赤字に転落する見通しを示していた。
新社長の東氏は1989年にロームに入社し、ディスクリート生産本部長などを歴任。2023年には子会社のローム・アポロの社長に就任し、2024年からはローム専務執行役員として品質、生産、汎用デバイス事業とモジュール事業の担当を兼任している。
1月17日の記者会見で東氏は「利益の出る会社に戻すには痛みを伴う改革も必要だ。不退転の覚悟を持ってやりきる」とし、生産拠点の再編や外部への生産委託などに取り組む方針を示したほか、人員削減という選択肢についても「排除せず考えている」と述べた。
なお、2024年3月に発表していた東芝とのパワー半導体の製造開発での協業については、交渉を進めており、両社のトップが「相乗効果が出るよう話し合っている」とした。また、デンソーともパワー半導体の共同開発も検討している。
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