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GNCレター
2024年12月21日、中国の半導体メモリ大手、CXMTが最新のDDR5メモリの量産を開始したことが明らかになった。DDR5は韓サムスン電子や韓SK Hynix、米Micron Technologyなどが既に量産化済みであるが、同社の参入により、更なる市場競争激化の可能性がある。
CXMTは最新の第3世代(G3)製造プロセスを用いてDDR5メモリを製造している。同プロセスは回路線幅17.5nmを実現する微細工程であるが、同社はさらに進んだG4製造プロセスへの移行も検討しているという。同社は前世代のDDR4からDDR5への移行を4年という速さで成し遂げたが、これは韓国企業が移行に要した6年より圧倒的に短く、急速な技術の進歩が伺える。
一方で、まだまだ課題も多い。製造プロセスの成熟度を示す重要な指標である歩留まり率について、同社は80~90%という高水準を達成したと主張している。この数値はサムスン電子やSK Hynixと同等の水準であり、事実なら中国企業が主要メーカーに追いついたといえるものとなる。但し、中国では最先端のEUV露光装置へのアクセスが米国の輸出規制により制限されていることを根拠に、歩留まり率に対しては懐疑的な見方が強い。
加えて、ダイサイズについて、CXMT製の総面積は68.06平方ミリメートルとなっている。これはサムスン電子の製品と比べて約40%大きい。ダイサイズの大きさは製造コストの上昇に直結する重要な要因であり、CXMT製は性能面でDDR5-6000規格を実現したものの、電力効率やコスト効率の面では依然として主要メーカーに大きな後れを取っている。
同社はDDR5について、現在月産5万枚のウエハ生産能力を持ち、2025年にはさらに5万枚の増産を計画している。増産に加え、今後、直面する課題を克服できるのかが注目される。
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