半導体メモリ大手、キオクシアホールディングスは11月8日、2024年7~9月期の決算を発表した。売上高は前期比12.2%増、前年同期比99.2%増の4,809億円、営業利益は前期比31.9%増の1,660億円、純利益は同52.1%増の1,062億円となり、過去最高を更新した。特に営業利益と純利益は前年同期の赤字(それぞれ1,008億円、860億円の赤字)から大幅な回復を見せた。

メモリ市場は今年度に入って顧客の在庫整理が進んだため、販売数量と単価が上向き、同社の業績を大きく後押しした。スマートフォンやパソコン向けの需要が回復するとともに、7月からは最新型メモリであるQCL技術を採用したUFS4.0組み込み式フラッシュメモリの量産を開始、膨大なデータ処理が必要なAIデータセンターからの引き合いが強まった。また、円安の進行も収益拡大につながった。

同社は10~12月期以降の市場動向及び見通しについても発表。AIデータセンター向けやエンタープライズ向け大容量ストレージの需要の高まり等を背景に、中長期的なフラッシュメモリ市場の成長が引き続き見込まれるとした。また、PC・スマートフォンについては季節性要因と顧客の在庫が高水準なために短期的に弱含むが、AI搭載やメモリ容量増加による買い替え需要が後押しするとした。エンタープライズ・データセンターSSDはAI需要により高い需要が見込まれるとし、全体的に良好な見通しを示した。同期の売り上げ予想は7~9月期からは減少するものの、4,300〜4,800億円と高水準を維持する。

同社は同日、今年12月から2025年6月までに東京証券取引所に上場することを目指すと発表。市況と業績次第で年内の上場を検討しており、今後の動向が注目される。

出典:キオクシア ニュース