2024年9月16日（現地時間）、米Intelはニュースリリースにおいて米バイデン政権から、最大30億ドル（約4,000億円）の補助金を受けることを発表した。この補助金は防衛目的のための先端半導体の安定供給を目的とする「Secure Enclave」プログラムによるものである。

また、ニュースリリースにおいてゲルシンガーCEOは「（業績が悪い）第2四半期以降、Intelに対する噂や憶測が絶えない」と前置きしたうえで、Intelにとって以下の3つの集中的に取り組むべき事項を述べた。

1.Intel はIntel 18Aの発売を間近に控え、ファウンドリ事業の勢いを更に加速させ、ファウンドリ事業全体で資本効率の向上を推進する必要がある。

2.より競争力のあるコスト構造を構築し、先月発表した100億ドルの削減目標を達成するために、緊急に行動を継続しなければならない。

3.インテルの顧客とパートナーへのサービスのために製品ポートフォリオを合理化する一方で、AI戦略を推進するために、強力なx86フランチャイズに再集中しなければならない。

そしてこの3つの項目の達成を後押しするニュースがあるとし、そのうちの１つとして、ファウンドリ事業をIntel内に独立した子会社として設立することを発表した。ゲルシンガーCEOは子会社化のメリットとして、外部のファウンドリ顧客とサプライヤは、インテルのIDMからの明確な分離と独立が可能となり、独立した資金源の評価と、各事業の資本構造の最適化によって、成長及び株主への価値創造を最大化するための将来の柔軟性も得られるとしている。一方、ファウンドリの組織変更はなく、引き続きゲルシンガーCEOの直属となる。

また、先に発表されていたポーランドのパッケージング工場とドイツの最先端前工程工場建設は市場の需要予測に基づいて2年延期させることが発表された。

その他の事項として、米AmazonのAWS（Amazon Web Service）と戦略的協業を拡大することが発表された。IntelのファウンドリはAWSに対して最新のIntel 18AプロセスによってAIチップを製造、Intel 3プロセスによってカスタムのXeon 6 チップを製造する。さらにIntel18A、Intel18AP、Intel14Aの追加設計においてAWSとさらなる連携を図っていくとした。

最後にゲルシンガーCEOは、「前にも言ったように、これは40年以上にわたるインテルの最も重要な変革だ。 メモリからマイクロプロセッサへの移行以来、これほど本質的なことを試みたことは無かった。 我々はそれに成功し、そしてこの瞬間を迎えた。この先何十年もの間、より強力なインテルを築き上げるだろう。」と結んでいる。

今回の発表によってIntelの株価は9月13日の終値から6.36%上昇した。

出典：Intel ニュースリリース