米国下院外務委員会の共和党議員であるMichael McCaulと共和党上院議員のBill Hagertyは共同でレモンド米商務長官に、中国の大手メモリメーカー、YMTCは中国人民解放軍との関係が緊密であるため、中国メモリ大手のYMTCを輸出制限エンティティリストに含むべきであるという書簡を送った。
書簡には、YMTCは、中国人民解放軍と密接な関係があり、チップは国防、AI、航空宇宙などの分野で使用できると書かれている。また、YMTCの役員は以前SMICに勤務したことがあり、中国政府の産業および情報技術セクターで重要な職に就いている。この部門は、中国人民解放軍の戦闘方法、武器と装備、およびC4ISRなどの関連技術の提供に重点を置いている。これにより、関連する米国ハイテク製品の輸出にリスクが生じるため、輸出制限対象のリストに含むべきだとした。

また、YMTCは複雑な企業チャネルを通じて中国人民解放軍とつながっており、親会社である「清華ホールディングス」は中国政府の支援を受けた半導体産業であり、その子会社の多くは人民解放軍と取引を行っている。中国政府は、半導体サプライチェーンのすべての産業を垂直方向に制御するという前例のない産業計画を実施している。事実によると、米国はYMTCが米国の国家安全保障をさらに危険にさらすのを防ぐ必要があり、輸出管理のエンティティリストに含める必要がある。

YMTCは、メモリへの進出が遅れている中国半導体の中でも、独自の技術力を持ち、2019年には128層のNANDフラッシュの製品を発表し、サムスンやキオクシアなどに追いつきつつある。現在では、192層の製品を市販化すること及び、生産能力を拡充することに注力している。その結果、2025年までにNANDメモリ市場で7%ものシェアを確保すると言われている。

もし今後YMTCがエンティティリスト入りした場合、恩恵を受けるのは台湾のNANDメモリメーカであるPhison、ADATA、Team Group、Apacerといった企業であると言われている。特にPhisonは2021年上半期のPCIe SSDコントローラーチップの総出荷台数が、年間で約140%の成長率を示しており、これは2021年内の過去最高となる。