メモリ大手のキオクシアホールディングス(以下キオクシア)は2020年9月28日、10月6日に計画していた東京証券取引所への上場を延期することを発表した。株式公開(IPO)に伴う株式発行、東芝など株主による株式売り出しも中止される。
キオクシアHDはスマートフォン向けフラッシュメモリの売上高が全体の約4割を占めるているが、米商務省による中国のHuaweiに対する半導体輸出規制が15日に発効され、同日以降のHuawei向けの売り上げを計上できなくなるという。また、新型コロナウイルス感染の再拡大への懸念や株式市場の動向などを勘案して上場を延期した。今後、上場時期を慎重に検討していく。
上場が行われた場合、時価総額は1兆5000億円超となる見込まれていた。約40%の株式を保有している東芝は、保有株の約20%を売却、株主に還元する計画であった。筆頭株主の米ベインキャピタルも一部を売却する意向であった。
現在、NAND型フラッシュメモリーは、サムスン、キオクシア、ウエスタン・デジタル、マイクロン、SKハイニクス、インテルが激しくシェアを争っているが、それに加えて中国からはYMTC(長江存儲科技)が独自の技術を用いながらこのTOP6に追いつきつつある。
キオクシアホールディングスとしては、上場して得た資金を元手に、更に開発や、設備投資を実施して行きたい所だが、今後の戦略を見直す必要がある。