TOPPANホールディングスは2025年12月16日、同社が2023年に取得した石川工場(石川県能美市)に、次世代半導体パッケージの研究開発を進めるため、パイロットラインを導入し、2026年7月からの稼働開始を目指すと発表した。

生成AIの普及を背景に、半導体の高性能化が進む中、先端パッケージ分野において、チップレットへの関心が高まっている。チップレットでは、チップとパッケージ基板を接続するインターポーザが不可欠である。ところが、現在主流のシリコンインターポーザは300mmウエーハベースであり、大型化や取れ数に課題があるため、シリコンに代わる材料として大型ガラス基板をベースとしたインターポーザ技術の確立が期待されている。

今回、同社が導入するパイロットラインでは、大型ガラス基板を用いたインターポーザの研究開発をはじめ、ガラスコア、有機RDLインターポーザなど、次世代半導体パッケージに求められる部材の研究開発に取り組み、将来の量産化に向けた技術検証なども行う予定である。

このうち、有機RDLインターポーザーの開発については、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/先端半導体製造技術の開発(助成)」に採択されており、サブミクロン配線製造技術開発を通して、大容量データ伝送と低消費電力化を同時に実現することを目指す。

具体的には、ダマシンCMPプロセスを有機材料に適用し、従来の4分の1にあたる0.5㎛/0.5㎛のサブミクロン配線を実現する技術を開発する。これにより、データ伝送速度を従来の8倍に向上させるとともに、消費電力を半減させる。また、同部材は大型化が容易で、510×515mmのパネルサイズでの製造が可能であり、同部材の適用により、歩留まり・スループットの向上も期待できる。なお、同技術の開発において、同社は大阪公立大学、富山県立大学、信州大学、東京科学大学、産業技術総合研究所と連携するとしている。

パイロットラインについては、年内に設備の設置を完了させる予定である。今後、石川工場に総額400億円を投じ、2030年度からの次世代半導体パッケージの量産開始を目指す。

出典:TOPPAN ニュースルーム