GNC letter
GNCレター
半導体受託生産大手、米GlobalFoundries(GF)は11月20日、窒化ガリウム(GaN)の米国内での技術、設計、製造の強化と加速を目的に、米Navitas Semiconductorと戦略的な協業を行うと発表した。高効率・高電力密度が求められ、需要が継続的に拡大するAIデータセンター向けやハイパフォーマンスコンピューティング向けなどを念頭に置く。
Navitas Semiconductorは窒化ガリウム(GaN)や高電圧シリコンカーバイド(SiC)などのワイドバンドギャップ半導体の専業メーカー。これまでにモバイル急速充電器、コンシューマー機器、ハイパフォーマンスコンピューティング、電気自動車、エネルギー貯蔵、産業機器といった大規模市場でGaNの展開に成功してきた。同社の開発したGaNパワー半導体「GaNFast」は30年以上のワイドバンドギャップ技術の知見を活かし、GaN電力、駆動、制御、センシング、保護機能を統合し、より高速な電力供給、システム密度の向上、効率改善を実現した。
今回の協業により、両社は米国内での量産体制を強化する。具体的には、GFの米バーモント州バーリントン工場で次世代GaN技術を製造する予定であり、同拠点の高電圧GaN-on-Silicon技術の専門性とNavitasの長年のGaN技術・デバイスの知見を統合することで、更なる高効率、高電力密度のパワー半導体の開発・製造を目指す。両社による次世代GaNの開発は2026年初頭に開始され、同年後半に製造が開始される予定である。
GFのCEOを務めるTim Breen氏は、今回の協業について、「米国の半導体リーダーシップと、重要な用途に対応するGaN技術の展開に向けた大きな前進だ」と強調した。一方、NavitasのCEOを務めるChris Allexandre氏は、「GaNの採用は、AIデータセンター、ハイパフォーマンスコンピューティング、エネルギー・電力網インフラ、産業電化といった高電力半導体市場で加速している」としたうえで、「GFとの協業により、Navitasは顧客が求める性能、効率、スケールを提供し、米国における重要かつ国家安全保障に関わる用途でこれらのソリューションを製造できるようになる」と重要性を強調した。
Globalfoundriesは2025年11月13日にも、TSMCと650V及び80VのGaN技術のライセンス供与を受ける契約を締結しており、GaN製造に重点を置いていることが伺える。
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