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GNCレター
メモリ大手、韓SK hynixは2025年10月29日、2025年第3四半期の業績を発表した。売上高は前期比10%、前年同期比39%増の24兆4,489億ウォン、営業利益は前期比24%増、前年同期比62%増の11兆3,834億ウォン、純利益は前期比80%増、前年同期比119%増の12兆5,975億ウォンとなり、過去最高だった前期を大幅に更新し、四半期ベースで過去最高の実績を達成した。
同社は米NVIDIA向けのHBM(高帯域幅メモリ)のトップサプライヤー。生成AIの急速な普及を背景に、HBMをはじめとするAI向け高付加価値製品の需要が継続的に増加しており、メモリ価格も上昇したことが同社の業績を押し上げた。
同社は好調の要因について、「HBM3Eの12層品とサーバ向けDDR5など、高付加価値製品群の販売拡大により、前期に記録した歴代最高実績を再び超えた」とし、「特にAIサーバ向けの需要が増え、128GB以上の大容量DDR5の出荷量は前期に比べて2倍以上に増加し、NANDでも価格プレミアムのあるAIサーバ向けeSSDの比重が拡大した」と説明した。
また、同社は今後の市場に関して、AI市場が推論主導型ワークロードへと急速に移行するにつれ、AIサーバの計算負荷を汎用サーバなどのインフラへと分散しようという動きがあり、DDR5やeSSDなどのメモリ全般の需要が拡大するものと予想する。加えて、AI関連企業の戦略的提携やAIデータセンター拡大の動きも顕著であり、HBM以外の汎用サーバ向けを含む様々な製品の需要の拡大を牽引するとしている。
上記の需要に対応するため、同社は既に安定的に量産されている最先端の10nmプロセス「1c-nm DRAM」プロセスへの移行を加速させ、DRAM製品群を拡充させ、需要に対応する計画である。NANDでは、321層TLCおよびQLC製品の生産量を拡大するとしている。なお、DRAMについては主要顧客との2026年のHBM供給に関する協議を完了したとしている。このうち、9月に開発を完了し、量産体制を構築したHBM4に関しては、第4四半期から出荷が開始されるとのことである。
HBMを中心とした継続的なメモリ需要の拡大により、同社には更なる最高業績の更新が期待されている。次世代品を他者に先行して供給し、世界トップシェアの地位を確固たるものにする構えだ。
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