SEMIは2024年12月9日、最新の半導体製造装置市場動向の予測を発表し、2024年の世界半導体製造装置市場は前年比6.5%増の1,130億ドルになり、過去最高になると発表した。ウェーハプロセス装置、マスク/レチクル装置、ファブ設備を含むウェーハ製造装置(WFE)セグメントでは、2024年は前年比5.4%増の1,010億ドルになると予測している。 この予測は前回の発表から上方修正されているが、その理由は主にAIコンピューティング向け広帯域メモリ(HBM)への力強い設備投資が続いていることが反映されたものとしている。 また、中国への投資は引き続きWFE市場の拡大に重要な役割を果たしているとも言及した。

WFEセグメントのアプリケーション別分類では、ファウンドリ及びロジック向け売上高は、成熟ノードの堅調な出荷に支えられ、2024年は前年比横ばいの586億ドルになると予測している。一方、今後の予測では 最先端技術に対する需要の増加やゲート・オール・アラウンド(GAA)への移行を含む新デバイス・アーキテクチャの導入、ファブ拡張の増加により、2025年には前年比2.8%増、2026年には同15%増の693億ドルになると予測している。

一方、メモリでは、Ai向け半導体に用いられるHBMに対する需要の増加と継続的な技術移行によって、2026年まで大幅な増加が続くと予測している。 NAND向け装置市場は、需給の正常化が継続し、2024年は前年比0.7%増の93億ドルと比較的軟調に推移、一方で2025年には同47.8%増の137億ドル、2026年は同9.7%増の151億ドルまで急速に拡大すると予測している。 DRAM向け装置市場は、2024年は前年比35.3%増の188億ドル、2025年は同10.4%増、2026年に同6.2%増と力強い成長と予測している。

また、後工程装置セグメントでは、過去2年の市場は縮小したものの、2024年は特に下半期に力強い回復が見られると予測、 テスト装置市場は前年比13.8%増の71億ドルと予測、組立・実装(A&P)装置市場は22.6%増の49億ドルと予測した。SEMIでは2025年以降もWFE、後工程セグメントともに成長を継続すると予測しており、WFEセグメントの売上高は、先端ロジックとメモリの需要増加により、2025年は前年比6.8%増、2026年には同14%増の1,230億ドルに達すると予測している。
テスト装置の売上高は2025年に同14.7%増、2026年には同18.6%増、A&P装置の売上高は2025年は同16%増、2026年には23.5%増と予測しており、ハイパフォーマンス・コンピューティング向け半導体デバイスの複雑化や、モバイル、自動車、産業用といった川下の市場での需要増加が見込まれることによって、WFEセグメント以上に成長するとしている。

地域別の予測では、中国、台湾、韓国は2026年まで市場トップ3を維持すると予測している。 中国は、景気の減速にもかかわらず、装置購入が引き続き積極的に行われるとし、2026年までトップの座を維持すると予測される。 中国向けの2024年装置出荷額は過去最高の490億ドルに達すると予測されている。 一方で中国は過去3年間の大規模な投資を受けて2025年には縮小すると予想されている。しかし 2026年はすべての地域で増加が見込まれている。