半導体メモリ大手のキオクシアは11月22日、東京証券取引所から上場を承認されたと発表した。12月18日に東証プライム市場に上場する。売り出し価格は1株あたり1,390円を想定しており、時価総額はおよそ7,500億円となる見込み。12月2日に仮条件を決定し、12月9日に売り出し価格を最終決定する。

同社は新たに2,156万株を発行し、約277億円を調達する。生産能力の増強などに充てる。メモリ市場は軟調になりつつあるものの、AI(人工知能)に必要なデータセンター向けの需要が拡大すると判断した。

今回の上場に合わせ、同社に出資する米投資ファンドのベインキャピタルと東芝も売り出す。これにより、ベインキャピタルの出資比率は56%から51%に下がり、約200億円を調達する。東芝は41%から32%に下がり、約500億円を調達する。

同社は東芝の半導体事業が2018年6月に独立して成立し、当初は3年以内の上場を目指していた。2020年8月に東証から上場を承認されたが、米中貿易摩擦の激化を受けて市況の見通しが不透明となったことから上場を延期していた。当時の公募・売り出し価格から算出した時価総額は1兆5,000億円超だった。今回の上場でも2020年当時の時価総額を目指したが、その半分に留まる見通しとなった。まずは上場し、その後の株価上昇を目指す方針である。