世界半導体出荷統計(WSTS)の2020年秋季世界半導体市場予測が2020年12月1日に発表された。なお、US$1に対する円の為替レートは、2019年:108.9円、2020年:107.2円、2021年:106.2円を前提としている。


世界半導体市場は、2020年には前年比5.1%増の4,331億4,500万米ドルと予想している。新型コロナウィルスによる感染症(COVID-19)のパンデミックによるマイナス要因はあるが、5Gスマートフォンの増加やライフスタイルの変化が半導体需要を押し上げていることもあり、前年比成長が予測されている。
2021年は前年比+8.4%の4,694億300万米ドルと成長が加速するものと予測されている。2021年は、COVID-19を巡る状況の改善を前提に世界経済も回復すると期待し、半導体市場も成長が加速する予測となったと考えられる。特に2020年に打撃を受けた自動車業界の急回復を想定、関連市場は高成長が予測された。また5G化の更なる進展が幅広い製品の需要拡大に貢献すると考えられる。
地域別では、アメリカが2020年に前年比18.7%増、2021年には同9.5%増と2年連続で最も高い成長が見込まれている。アジア太平洋地域は2020年が同3.8%増、2021年が同8.7%増を見込んでいる。欧州、日本は2020年が前年割れ、2021年についても5%台の成長と見込まれている。
2020年の製品別世界半導体市場(ドルベース)は、ディスクリートが前年1.2%減、市場規模が235億9,300万米ドル。オプトは同2.6%減、市場規模404億8,100万米ドル、センサーは同7.4%増の、市場規模145億ドル。
IC全体では同+6.4%、市場規模3,545億5,600万米ドルと予測した。ICの製品別では、メモリは前年比+12.2%、
1,194億4,000万米ドル、ロジックは同+6.5%、1,134億1,900万米ドル、マイクロは同+2.0%の677億4,400万米ドル、アナログは同+0.0%の539億5,600万米ドルと予測した。
2021年には、ディスクリートは前年比+7.2%、市場規模252億9,200万米ドル、オプトは同10.2%増、市場規模は446億2,800万米ドル、センサーは同7.8%増、市場規模156億4,200万米ドル、IC全体は同増8.3%、市場規模3,838億ドルと予測した。ICの製品別予測では、メモリは前年比13.3%増、1353億1,100万米ドル、ロジックは同+7.1%増、1,215億700万米ドル、マイクロは同1.%増、684億4,400万米ドル、アナログは同8.6%増の585億7,800万米ドルと予測している。
日本市場を円ベースで見ると、2019年には同11.2%減の3兆9,187億円となった。2020年は円ベースで同2.1%減のと2年連続のマイナス成長で市場規模約3兆8,345億円となると予測している。
2021年には同4.8%増、市場規模約4兆174億円になると予測した。