日本電子と熊本大学は2026年3月2日、「日本電子×熊本大学 半導体顕微鏡・イノベーション共創研究所(SEMIC)」を設置したと発表した。日本電子の持つ「原子分解能磁場フリー電子顕微鏡」技術を応用した半導体解析用電子顕微鏡の試作機の共同開発を目指す。加えて、大学院教育・技術指導を通じて高度専門人材の育成も目指す。

同研究所は熊本大学が新たに構築した企業連携制度「共創研究所」の第1号として設置された。この共創研究所とは、大学内に企業との連携拠点を配置し、活動内容は限定せず、幅広い共創の取り組みを随時企画・実施する仕組みで、本学の教員、知見、設備などへ柔軟にアクセスができ、共同研究、人材育成など、幅広い活動が可能になるという。

同研究所では、日本電子が世界トップレベルの技術を持つ、試料への対物レンズ磁場の印加を回避し、物質の原子構造を観察できる技術を応用し、半導体や材料の微細構造、内部の磁場・電場分布を極限まで精密に観察可能な電子顕微鏡を共同開発する。また、教育面では、大学院前期課程において電子顕微鏡学や周辺分析機器に関する実務的な教育プログラムを構築し、日本電子の技術者と共働した高度な専門教育により、人材の育成を目指す。

加えて、同学の顕微鏡機器の保守、管理や研究開発のための技術サポートも日本電子が担う。これにより、常に高い稼働率を維持し、安定的な最先端の研究環境を実現するとしている。

なお、同研究所内の顕微鏡機器は、大学機関や企業に開放し、収集されたデータは次世代装置の試作機やアプリケーションの開発に還元するとともにAIを用いて標準化し、国立情報学研究所(NII)を通じてオープン化することで、オープンサイエンスの発展を牽引するとしている。