米国のAxiom Spaceと、半導体・電子材料大手である株式会社レゾナック・ホールディングスは10月1日、宇宙空間での高機能半導体材料の研究・開発・製造に関する覚書(MOU)を締結した。

今回の合意は、微小重力(無重力に近い状態)環境と低軌道の真空条件を活用し、半導体や半導体パッケージング向けの次世代材料製造の可能性を探るものだ。

微小重力下では、地上で発生する対流や沈殿が起きないため、欠陥のない半導体バルク結晶や樹脂、2次元材料の生成が可能になると期待されている。特に、電気自動車や再生可能エネルギー分野で重要性が増すSiCなどのパワーエレクトロニクス材料は、低欠陥で大型化できるポテンシャルがあると見られている。

両社は、国際宇宙ステーション(ISS)やAxiom Spaceが建設予定の「アクシオム・ステーション」などの軌道プラットフォームを活用し、概念実証から将来的な商業規模での製造へと段階的に進める計画だ。

本合意の一環として、レゾナックは、現在Axiom Spaceと進めている「宇宙放射線による半導体ソフトエラー低減」のための封止材開発プロジェクトも拡大する。レゾナックは、ISS内外で封止材の試作品を評価することで、宇宙線が原因で発生するビット反転現象への対応技術を確立するとしている。

出典:株式会社レゾナック プレスリリース