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リガクは2025年8月26日、最先端半導体の製造プロセスに対応した全反射蛍光X線(TXRF)分析装置「XHEMIS TX-3000」の販売を開始したと発表した。従来モデルと比べて最大6倍の高速処理を実現するという。
同社はX線技術を核とした分析・計測機器の総合メーカー。半導体分野では欠陥の検出や膜厚やウエーハ表面の粗さの測定、ウエーハ表面の汚染の検出などを非破壊・非接触で実施できる装置を扱い、プロセス最適化や歩留まり向上に直接結びついている。X線分析の中でも代表的な分析手法であるTXRFにより、同社の技術は事実上の業界標準の地位を築き、長年にわたり業界の品質基準を牽引してきた。
新製品「XHEMIS TX-3000」は同社が新たに開発した、広範囲に均一なX線を照射できるモノクロメータと、ウエーハ表面を3か所同時に測定できるマルチエレメント検出器を搭載し、これらを組み合わせることで、従来モデル比で計測速度を約3倍に向上した。さらに、AIを活用したスペクトル予測技術を組み合わせることで、同等精度を維持したまま追加で約2倍の高速化を実現した。これにより、従来モデルで約1時間かかっていた計測が10分で可能となった。
なお、計測時間を短縮すると精度が低下しやすいという蛍光X線分析の課題に対しては、膨大な分析データを学習させたスペクトル予測ソフトウェアを導入することで、計測時間を半減させても同等の精度を確保した。
加えて、同製品には、3種類の波長を切り替えられるX線源を採用。蛍光X線分析では検出が難しいとされてきたナトリウム、マグネシウム、アルミニウムなどの軽元素の分析にも対応しており、これにより、ほぼ全ての元素についてサンプルを破壊せずに汚染源の面内分布を計測できるようになった。
同社は従来型TXRF製品で2025年は約50億円の売上規模を予測している。新製品の投入により、大手半導体メーカーでの採用拡大が進むことで、この製品セグメントについて、毎年二桁程度の成長を見込むと期待している。
出典:リガク プレスリリース
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