米半導体大手、Advanced Micro Devices(AMD)は2月4日、2024年通期及び第4四半期(10~12月)の決算を発表した。2024年通期の売上高は前年比14%増の257億8,500万ドルと、過去最高を更新した。純利益も前年比92%増の16億4,100万ドルとなり、通期では好業績となった。

部門別の売上高では、データセンター向けが同94%増の125億7,900万ドルで業績を牽引している。次いでクライアント向けが同52%増の70億5,400万ドルであった。一方でゲーミング向けは同58%減の25億9,500万ドル、産機等組み込み向けは同33%減の35億5,700万ドルとなった。通期で見ると、データセンター向け、特にAI向け半導体がゲーミング向けや産機向けの減収をカバーしているといえる。

同社のリサ・スーCEOは「データセンター部門の年間売上高は、EPYCプロセッサ(CPU)の採用が加速し、AMD Instinctアクセラレータ(GPU)の売上高が50億ドルを超えたことから、ほぼ倍増した」と述べた。

一方、2024年第4四半期の売上高は前期比12%増、前年同期比24%増の76億5,800万ドル、純利益が前期比37%減、前年同期比28%減の4億8,200万ドルとなった。四半期ベースの売上高については過去最高を更新したものの、減益となった。

また、同四半期の部門別の売上高は、データセンター向けが前期比9%増、前年同期比69%増の38億5,900万ドルとなった。売上は伸びてはいるものの、収益拡大ペースは減速し、市場予想には届かなかった。アナリストによれば、これは同社がGPUでは米NVIDIAからシェアを奪うのに苦戦していることを示唆しているとのことである。

データセンター向けが減速する中、クライアント向けは前期比23%増、前年同期比58%増の23億1,300万ドルとなり、安定した成長を続けている。AIの処理に特化したパソコン向け半導体が需要を取り込んでいる。一方、ゲーミング向けは前期比22%増、前年同期比59%減の5億6,300万ドル、産機等組み込み向けは前期比増減なし、前年同期比13%減の9億2,300万ドルと前年同期から売上を減らしている。