12月18日、半導体メモリ大手のキオクシアホールディングスが東京証券取引所に上場した。同社は2018年の東芝からの独立後、資金調達に向けて2020年に上場を申請して以来半導体市況の悪化などを理由に延期を繰り返していたが、来年以降、半導体市況が上向くことが見込まれるとしてついに上場に踏み切った。

時価総額は8月に上場を申請した際に見込んでいた1兆5,000億円程度を下回る見通しだったものの、設備投資を巡る競争で海外メーカーに遅れを取ってきたと指摘される中、上場によって資金調達を多様化することを優先した形となった。

初値は1,440円と売り出し価格の1,455円を下回ったものの、その後は買い注文が広がり、初日の終値は1,601円で時価総額にして約8,630億円となった。これは10月に上場した東京メトロに次いで、今年2番目の大型上場となる。19日以降も株価は上昇し、20日には時価総額が一時1兆円を超えた。

同社は今回の上場により291億円を調達し、AI(人工知能)向けの最先端メモリの生産に向け、設備投資を進める方針である。

同社の早坂伸夫社長は、「技術力や生産効率などの競争力には自信を持っている。これらをバネに今後、企業価値の向上に努めていく。デジタル社会の進化を支える不可欠な製品を生み出し世界の発展に貢献していきたい」と述べた。