セミナー概要

地球環境への負担が増し、気候変動が発生する懸念から、産業界でもより地球環境に配慮した製品を送り出す事が求められている。自動車では、直接温室効果ガスを発生させるガソリンエンジン車から、走行中の温室効果ガス発生がゼロとなるBEV車両が急速に普及している。そして、そのインバータには電力変換効率が高いSiCパワーデバイスが積極的に採用されるようになった。
一方、BEVほど高い電圧を必要としない、サーバーを中心とした産業機器の電源においても、従来のSiデバイスから、よりバンドギャップが高く、中耐圧の制御に優れたGaN半導体が注目されており、近年では大手半導体メーカーも積極的に開発、販売している。
GaNのメリットは、省電力性に優れることや、広帯域であることから、中耐圧領域の電源として用いられたり、高周波増幅器に用いられる。一方でGaN基板は高価格であることを中心に、まだまだ一般的に普及するためには課題もある。今回はパワーデバイス企業、半導体市場、基板、応用デバイスのそれぞれから見たGaNの可能性をセミナーを通じてお伝えしていきます。

【講師紹介】

第一部:寺島 知秀 氏(三菱電機株式会社 パワーデバイス製作所)

1987年大阪大学基礎工学部物性物理工学科卒業。2017年に同大学にて応用物理で工学博士を取得。1987年に三菱電機に入社後2012年までパワーMOSFET、高耐圧ICプロセス、BiCMOS&DMOSプロセス、IGBT、パワーDiode開発に従事。

BiCMOS&DMOSプロセスと高耐圧ICではそれぞれ三菱電機としての第一世代の製品化を担当し、高耐圧ICでは現在世界的に広く使われている耐圧保持構造を発案。2013年から先端総合研究所にてSiCデバイスと次世代パッケージの研究管理業務に携わった後、現所属にてパワーデバイスと高耐圧ICの技術開発に関する統括業務を担当。パワーデバイスとICプロセス領域で84件の米国特許と61件の日本特許を取得。

第二部:鈴木 寿哉 氏(OMDIA)

部署・役職 Omdia テクノロジー部門・プリンシパルコンサルタント

業務経歴(略歴): 富士通電子デバイス部門で新規プロセス開発、東芝とのDRAM共同開発プロジェクト参加、富士通のフアンドリ、ASICのマーケティングと営業をへて富士通電子デバイスASIC事業部長代理からSocionext(富士通とパナソニックの合弁)へ転社後、ハイパフォーマンスカスタムSoC事業部長として北米駐在を1年。その後中国上海公司にてアジアパシフィックの董事長を経験し、帰国してから購買とサプライチェーンを総括し供給問題に対応。2022年4月より現職。

第三部:森 勇介 氏(大阪大学)

  • 2007年05月 ~ 継続中,大阪大学,大学院工学研究科,教授
  • 2021年05月 ~ 2026年04月,大阪大学大学院工学研究科,電気電子情報通信工学専攻
  • 2007年04月 ~ 2007年04月,大阪大学,大学院工学研究科,准教授
  • 2000年10月 ~ 2007年03月,大阪大学,大学院工学研究科,助教授
  • 1999年05月 ~ 2000年09月,大阪大学,大学院工学研究科,講師
  • 1998年04月 ~ 1999年04月,大阪大学,大学院工学研究科,助手
  • 1993年04月 ~ 1998年03月,大阪大学,工学部,助手

第四部:松本 聡 氏(九州工業大学)

  • 2016年04月  2017年03月   九州工業大学   工学部     工学部電気電子工学科長
  • 2016年04月  2017年03月   九州工業大学   大学院工学研究院     工学研究院電気電子工学研究系長
  • 2010年04月  現在   九州工業大学   大学院工学研究院   電気電子工学研究系     教授

 

開催日時

2023年9月29日(金)13:00〜18:00

開催場所

【会場】アルカディア市ヶ谷

東京都千代田区九段北4-2-25
各路線 市ヶ谷駅より徒歩2分

【オンライン】
Zoomにて配信。
※オンラインはZOOMでのご参加を推奨しております。

定員

会場 :60名

オンライン(Zoom):500名

受講料

会場(1名):39,600円(税込み)

オンライン:74,800円(税込み)(〜5名まで参加可能)

【セミナーの料金設定について】
今回、オンラインでの参加費用を会場参加よりも高く設定しておりますのは、会場で皆様に聴講していただきたい為です。スケジュールの許す限り、ぜひ会場で臨場感のあるお時間をお過ごしください。
また、オンラインでお申し込みする場合でも2人以上でご視聴いただくことで、会場参加よりもお得にご参加いただけます。尚、オンライン参加にてグループ参加できますのは、同社内の方のみといたしますので、ご承知おきください。

プログラム

 

時間

セミナー内容(一部変更する場合がございます)

13:05〜14:05

「パワーデバイスの基本動作、及びGaNパワーデバイスの大きな可能性」

講師:寺島 知秀 氏(三菱電機株式会社 パワーデバイス製作所)

【講演内容】

1.パワー半導体の用途
2.パワー半導体の基本動作
3.パワー半導体の発展と課題
4.パワー半導体の構造とその特長
5.パワー半導体の性能限界
6.GaNパワーデバイスの構造とその特徴
7.パワー半導体と用途の関係(現行/次世代)

14:05〜15:05

「GaNデバイスの市場動向と地政学リスク

講師:鈴木 寿哉 氏(OMDIA)

【講演内容】

1.半導体デバイス市場動向
2.パワー半導体市場とGaNデバイス
3.地政学リスクと中国パワー半導体市場動向

15:20〜16:20

「革命前夜を迎えたパワー半導体、主役は日本の特産品GaN」

講師:森 勇介 氏(大阪大学)

【講演内容】

1.GaNウエハの課題
2.ここまで進化したGaNウエハ作製技術
  ①Naフラックス法
  ②アモノサーマル法
  ③OVPE法
3.革新的GaNウエハが拓くデバイスと社会実装

16:20〜17:20

「GaNパワーデバイスを用いた電源の高効率化を実現する3次元パワーIC技術」

講師:松本 聡 氏(九州工業大学)

【講演内容】

1.はじめに
2.Power-SoC(Power Supply on Chip)
3.3D パワーICと3D Power-SoCのシミュレーションによる検討
4.3D パワーICと3D Power-SoC実現のためのプロセス技術
5.3D Power-SoC用デジタル制御技術
6.3D パワーICと3D Power-SoCの課題
7.まとめ

◇お申込後、弊社より請求書をお送りいたします。御社の支払いサイクルに沿う形でお支払いをお願い致します。

◇開催7日前以降のキャンセルはお受けいたしかねますのでご了承ください。
(申し込まれた方がご都合の悪い場合は、代理の方がご出席ください)