セミナー概要

現在のディスプレイ産業において、液晶の生産国はサムスン、LGが撤退したことによって韓国から中国に完全に移った。
一方、ポスト液晶の主役である有機ELは、スマートフォン用では完全に主流のディスプレイとなった。その一方で、普及帯スマートフォンの有機ELでは、BOEを中心とした中国のディスプレイメーカーが価格の安さを武器にし、液晶と同様に最大手の韓国メーカーからシェアを奪おうとしている。迎え撃つ韓国メーカーは、巻き取り式や折りたたみ式など、付加価値を付けて対抗している。

もう一つの主要市場であるテレビ用でも、有機ELは液晶と価格差が縮まっており、主流のディスプレイとなっている。また、中型サイズのPCやタブレットにおいても現在は液晶から有機ELへの移行が着実に進んでいる。

一方、既存のディスプレイ産業の変化に加えて、今後は5Gから6Gと通信が高速化するにつれ、VR、メタバースを始めとした新しいコンテンツが誕生していく。動画や視聴スタイルも多様化し、それらを楽しむためのデバイスも変化を見せ、ディスプレイも新しいデバイスの動きに適応していくことが求められていく。

今回は、有機ELを中心にしたディスプレイ産業の現状と、注目される今後の動向について、山形大学 有機エレクトロニクスイノベーションセンター教授の向殿 充浩氏に製造・技術面からのご講演を、FRASK元代表取締役の菰田 卓哉氏には、産業・ビジネス面から解説を頂き、技術とビジネスの双方で現状から今後のディスプレイ動向を把握出来る内容でセミナーをお届けして参ります。

【講師紹介】

第一部:菰田 卓哉 氏(株式会社FLASK 元代表取締役)

1978年、京都大学工学部電子工学科卒業、同年松下電工株式会社 (現、パナソニック株式会社) 入社。照明制御IC、パワーMOSFETのデバイス・プロセス研究開発に従事。1988年、世界で始めて民生用静電誘導 (SI) サイリスタの実用化開発に成功。
1991年、英国に同社のUK R&D Laboratory (Panasonic Electric Works UK Laboratory Director) を設立し、所長。
同時に、英国サリー大学客員研究員として、シリコンの可視発光の研究を推進。
1997年、英国サリー大学よりPh.D. (工学博士) 授与。
1998年より、弾道電子面放出型電子源 (BSD) の開発に従事。2001年、BSD開発の功績により、映像情報メディア学会より藤尾フロンティア賞受賞。
2002年より、有機ELの研究開発に着手。
2007年より、NEDO (新エネルギー・産業技術総合開発機構) からの委託プロジェクト、「有機発光機構を用いた高効率照明技術の開発」、「高効率白色有機EL照明技術開発プロジェクト」などのプロジェクトリーダー歴任。
2011年、NEDOの開発成果をもとに、パナソニック出光OLED照明 株式会社 の設立に尽力し、有機EL照明パネルの発売にこぎつける。
2015年10月より、山形大学 COI (Center of Innovation) 研究推進機構産学連携教授及びフロンティア有機材料システム創成フレックス大学院産学連携教授。有機ELをはじめとする有機エレクトロニクス研究開発および教育に従事。
2017年4月、山形大学発ベンチャーの株式会社FLASKを創業し、最高経営責任者 (CEO) に就任。
2022年9月、株式会社FLASKの代表取締役社長を退任、顧問に就任する。

第二部:向殿 充浩 氏(山形大学 有機エレクトロニクスイノベーションセンター 産学連携教授)

1983年 大阪大学 大学院 工学研究科 プロセス工学専攻 博士課程修了後、同年シャープ株式会社に入社。シャープ在籍中には17型動画フルカラー強誘電性液晶ディスプレイの開発(1999)世界最高精細の高分子型フルカラー有機ELディスプレイの開発(2006)といった成果を上げる。
また、1998年~2011年には奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 知能物質科学講座 客員教授も兼務する。
2012年、シャープ株式会社退職後、現職の山形大学 有機エレクトロニクスイノベーションセンター 産学連携教授に就任。
2013年〜2016年には、産学連携イノベーション促進事業に採択された山形大学有機薄膜デバイスコンソーシアムのプロジェクト長に就任。
2018年に設立された山形大学フレキシブルエレクトロニクス産学連携コンソーシアム(YU-FLEC)では顧問を務める。
2017年には、内閣府 第15回産学連携功労者表彰 科学技術政策担当大臣賞を受賞。
また、同年には、新たなディスプレイの活用を提案する株式会社TEAM Sにおいて顧問に就任。(兼務)

 

開催日時

2023年3月17日(金)13:30〜17:00
会場/オンラインの同時開催

開催場所

【会場】連合会館 203号室(東京都千代田区 東京メトロ千代田線 新お茶の水駅B3出口下車すぐ)
【ウェビナー】Zoom、Youtube Liveによるストリーミング配信

定員

会場 :50名
オンライン:100名

受講料

個人参加(会場/オンライン):30,800円(税込み)
現在ご予約中の書籍「世界有機EL/先端ディスプレイ産業年鑑2023」の書籍+PDF版をご注文頂いた方は無料でご参加頂けます。(会場/オンラインどちらでも)

プログラム

 

時間

セミナー内容(一部変更する場合がございます)

13:30〜15:05

「メタバース時代に勝ち残る新世代ディスプレイ―OLED,LED,LCD―の産業・ビジネスへのインパクトと将来展望」

講師:菰田 卓哉 氏(株式会社FLASK 代表取締役)

15:05〜15:20

休憩(会場参加者はコーヒーブレイク)

15:20〜16:50

「次世代ディスプレイに向けた有機ELの最新技術と今後の展望」

講師:向殿 充浩 氏(山形大学 産学連携教授)

◇お申込後、弊社より請求書をお送りいたします。御社の支払いサイクルに沿う形でお支払いをお願い致します。

◇PDFで請求書をお送りする場合、後ほど原本を記載のご住所へお送りさせて頂きます。

◇開催7日前以降のキャンセルはお受けいたしかねますのでご了承ください。
(申し込まれた方がご都合の悪い場合は、代理の方がご出席ください)

【注意事項】
視聴方法:ストリーミング配信(Zoom、Youtube Liveを利用)
     ※上記以外の配信方法は対応していない為、視聴可能な端末をご用意下さい。
     配信の数日前にURLを配信します。
テキスト:PDFテキストをメールにてお送り致します。テキストに基づく事前のご質問も受け付けます。PDFテキストを送信したメールに返信する形でご質問をお寄せ下さい。