半導体受託生産世界最大手の台湾・TSMCは4月18日、2024年第1四半期の業績を発表した。これによれば、売上高は5,926億4,000万台湾ドル(約2兆8,200億円、約188億7,000万米ドル)で、前年同期比16.5%増、前期比5.5%減となった。また、最終利益は2,254億9,000万台湾ドル(約1兆700億円)で前年同期比8.9%増、前期比5.5%減となった。これらは、第1四半期としては過去最高であった。

生成AIの開発をめぐる競争が過熱する中、AI向けの先端半導体の需要が拡大し、前年と比べて大きな増収増益となった。売上全体に占める割合は3nmプロセスが9%、5nmプロセスが37%、7nmプロセスが19%で、合わせると65%以上となる。

一方、スマートフォンの需要減によって影響を受けたため、前期比では減収減益となった。但し、HPC関連の継続的な需要により、部分的に相殺はされたという。

また、第2四半期の予想についても発表。売上高は米ドルベースで196億ドル~204億ドルと予想した。

同社の魏哲家CEOは「AI技術はさらに複雑なAIモデルに適応できるよう、進化し続けており、それを支援するため、より高性能な半導体が必要になる」と述べ、AI向けの先端半導体の需要が今後も継続して拡大し、同社の業績を牽引していくとの見方を示した。

なお、同社は同日の声明で、4月3日の台湾地震に関連する損失が30億台湾ドル(約140億円)余りにのぼると明らかにしつつも、業績への影響はわずかにとどまるとしている。