三井金属は2026年3月2日、光通信デバイスなどに用いる単結晶薄膜の社会実装を目指す東京大学発スタートアップ「Gaianixx」に出資したことを発表した。

「Gaianixx」は2021年に設立したスタートアップ。基板と薄膜の間に入れることで格子の違う材料でも単結晶として成長できるようにする「多能性中間膜」を独自開発したほか、原子の並びを動的に調整して結晶を整える「動的格子マッチング」という技術を核とするほか、PZT(圧電材料)、SiC(パワー半導体)、GaN(高周波デバイス)などの多様な単結晶薄膜を製造する技術を持つ。

三井金属は2025年4月1日にGaianixxの多能性中間膜及びスピンコート技術と、Gaianixxの開発した新溶液材料「iconos」とのコラボレーションにより、スピンコート法によるニオブ酸リチウム(LN)及びタンタル酸リチウム(LT)薄膜の単結晶化に初めて成功し、この成果を活かすためにLN/LT単結晶薄膜の事業化に向けてGaianixxとの提携を決定していた。今回の出資により、LN/LT単結晶薄膜の2026年以降の実用化を目指し、取り組みを加速させる。

三井金属は今回、Gaianixxの事業拡大期の資金調達「シリーズC」に応じて出資を行った。同シリーズでは三井金属のほか、ベンチャーキャピタルの(VC)の東京大学エッジキャピタルパートナーズやJX金属、政府系ファンドのJICベンチャー・グロース・インベストメンツ、SMBCベンチャーキャピタルなどが出資し、出資総額は20億円となる。三井金属の出資額は明らかになっていない。なお、これにより、Gaianixxの累計の調達額は約38億5,000万円になった。

三井金属は今後、機能性ウエーハ市場への水平展開も視野に入れ、次世代通信SAWデバイス用単結晶薄膜、光通信デバイス用単結晶薄膜およびその他機能性単結晶薄膜への事業参入を目指していくとしている。