パナソニックインダストリーは2026年3月4日、中国・広州にある同社の電子材料の主力工場の一つである、「パナソニックデバイスマテリアル広州(広州工場)」に75億円を投じ、多層基板材料「MEGTRON」の生産体制強化に向け、新ラインを建設すると発表した。

MEGTRONは低伝送損失・低誘電率・高耐熱性を特長とする高性能多層基板材料。サーバーやルーター、スーパーコンピューター、通信基地局などの高速通信ネットワーク機器をはじめ、自動車や航空宇宙といった高い信頼が求められる分野を中心に活用されてきた。広州工場ではこのMEGTRONの中でも情報通信インフラ機器向けに位置づけられるMEGTRON6から、AIサーバー向けの高速伝送ニーズに対応可能なMEGTRON8まで幅広い生産を行っているほか、今後はさらなる高速伝送を可能とする次世代型AIサーバー向けMEGTRONシリーズなど最先端材料の重要な生産拠点として位置付けられている。

近年、生成AIの普及でデータ量が爆発的に増加し、サーバーやスイッチ、ルーターなどの情報通信インフラ機器も、さらなる通信の高速化ならびに大容量化、高速演算性能への対応などが求められるようになり、これを支える低伝送損失性の基板材料の需要も急増している。同社はこの需要に対応するため、同材料の生産能力を5年間で2倍に拡大する計画で、2025年9月に発表されたタイ・アユタヤ工場の新棟建設に続き、今回の広州工場の新ライン建設計画もその一環である。

新ラインの延床面積は既存ラインとの共用部分を含めて約16,000平方メートル。製造工程にDX(デジタルトランスフォーメーション)を導入することで自動化や省人化を進め、生産効率の向上を図るとしている。

同社は広州工場への新ライン建設の背景について、中国市場の規模が大きく、今後も長期的な成長が見込まれるためであると説明している。新ラインは2027年4月に稼働開始を予定し、同年度内の量産体制構築を目指すとしている。