東京エレクトロン(TEL)は2025年10月15日、2023年10月より熊本県合志市に建設していた「プロセス開発棟」が完成し、竣工式を開催したと発表した。同社の主力製品であるコータ/デベロッパを開発するため、470億円を投じた。延床面積は2万7千平方メートルの地上4階建てで、2026年春の稼働予定となっている。

同社はコータ/デベロッパの世界シェア首位を誇る。新開発棟を建設した熊本県には、半導体受託生産最大手の台TSMCの工場をはじめ、半導体関連企業の工場が立ち並ぶ。同地に新開発棟を置くことにより、こうした企業との連携をとりつつ、現在の最先端品を上回る1nmに対応した装置の開発を目指す。

新開発棟の完成により、TELの熊本での開発能力は従来比で4倍に引き上げる。今後、最新の半導体工場を模したクリーンルームを設置し、TSMCをはじめとする顧客の半導体メーカーを交え、新装置の評価などを行う。

TELの生産子会社の東京エレクトロン九州の林伸一社長は新開発棟の完成により、「クリーンルームの面積を2倍に増やし、開発した製造装置のデモができる」としたうえ、「1nm以下の半導体や積層技術など、顧客が望む次世代の半導体の実現に協力したい」と述べた。

出典:東京エレクトロン ニュースルーム