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GNCレター
アドバンテストは2025年9月9日、2nmノード以降のマスク製造に求められる厳しい測定要求に対応可能なパターン寸法測定用CD-SEM(測長走査型電子顕微鏡)「E3660」の販売を開始したと発表した。
先端半導体デバイスのリソグラフィ工程では多重露光が用いられているが、回路の微細化・複雑化が進行しており、パターン転写が難しいポイント(Hotspot)が急増している。また、そこで用いられているフォトマスクの枚数の増加やパターン形状の高度化も進んでいることから、マスクの品質保証に求められる測定ポイント数も増加し、より高速かつ高精度で、再現性の高い測定技術が求められている。
また、マルチビームのマスクライターの導入や曲線パターンの適用が可能になり、2027年頃からはHigh NA EUV露光装置によるデバイス生産が本格化することが見込まれている。さらに、従来のCD測定機能に加え、曲率を考慮した新たな測定手法の導入も進んでいることから、マスク上のパターンと設計データとの微細な差異を正確に把握することがこれまで以上に重要となっており、CD-SEMにはより忠実なSEM画像の生成が強く求められている。
同社はベルギー・imecと協力し、現行機種の「E3650」を用い、従来機種や EDA ツールの測定結果との相関性を検証し、製品の信頼性向上を図ってきたほか、曲線パターンの多用化に対応する測定機能の開発および評価も進めてきた。同社が新たに開発した「E3660」は2nmノード以降に求められる測長再現性を実現するとともに、測定ポイントの増加に対応した高速測定を可能にし、曲率を有するパターンに対して独自の測定ソリューションを提供できる機能を搭載している。
同社は今後、「E3660」を最先端マスクの開発ならびに製造用評価装置としてマスクメーカーや半導体メーカーのマスク製造部門に本格販売していくとしている。
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